食鳥処理工場の薬品、産廃コストの削減(改善事例25)

1,850万円
削減前の薬品・産廃コスト
1,106万円
削減後の薬品・産廃コスト
▲744万円
年間削減額
約40%
コスト削減率
BEFORE 改善前
改善前の排水中の油脂の状況
AFTER 改善後
改善後の排水中の油脂の状況

加圧浮上の凝集剤を油脂処理剤に置き換え、年間744万円のコスト削減を実現。

RESULT
加圧浮上工程で使用していたPACと高分子凝集剤を油脂処理剤ドレイン浄に置き換えることで、薬品費と産廃処理費を合わせて年間744万円のコスト削減を達成しました。
薬品・産廃コストは1,850万円から1,106万円へ約40%減少。あわせて脱水機まわりの臭気も大幅に改善しました。
大規模な設備改修は不要で、薬品の切り替えだけで実現した改善です。後段の生物処理工程に余力がある施設ほど、同様の効果が出やすい傾向があります。

加圧浮上の薬品費も、汚泥の脱水費用も、増える一方だった。

この食鳥処理工場では、加圧浮上装置でPACと高分子凝集剤を使用しており、薬品費用が高止まりしていました。あわせて発生する汚泥の脱水費用も増加を続け、コスト全体を圧迫していました。

導入前の状況

  • 🧪
    薬品2種を併用
    PACと高分子凝集剤を加圧浮上工程で同時使用しており、薬品費と汚泥処理費が重なっていました。
  • 💰
    汚泥脱水費用が増大
    凝集剤の使用で発生する汚泥量が多く、脱水・処分にかかる費用が年々増加していました。
  • 🔄
    前処理の運転条件を継続
    後段の生物処理工程で対応できる可能性を検討しないまま、加圧浮上での薬品添加を継続していました。
加圧浮上と生物処理を組み合わせた施設では、前処理の薬品量が過剰になっていても気づきにくい傾向があります。処理フロー全体を見直すと、この事例と似たコスト構造が見つかることがあります。

生物処理だけで対応できるのに、加圧浮上で凝集剤を使い続けていた。

加圧浮上でのSS・油脂除去は、無機凝集剤を使わなくても浮上分離だけで対応できる可能性がありました。後段の生物処理工程に処理能力の余力があれば、凝集剤に頼らずコストを抑えられる状況です。この工場でも、生物処理の能力を確認したうえで凝集剤の停止を判断しました。

使用薬品数
2 種類
PAC・高分子凝集剤の2種
PAC(無機凝集剤) 高分子凝集剤 汚泥・産廃 増加
使用薬品数
1 種類
油脂処理剤(ドレイン浄)に集約
ドレイン浄(油脂処理剤) フロス発生量も減少
無機凝集剤による浮上分離に頼りすぎると、汚泥量が増えて脱水・産廃コストがかさみやすくなります。後段の生物処理能力を正しく把握できれば、前処理の薬品量を抑えられる場合があります。

加圧浮上のPAC・高分子凝集剤を停止し、油脂処理剤ドレイン浄に一本化。

加圧浮上工程で使用していたPACと高分子凝集剤の投入を停止し、油脂処理剤ドレイン浄に切り替えました。凝集剤に頼らず浮上分離でSS・油脂を除去し、後段の生物処理工程で仕上げる運用に変更しました。

導入製品
ドレイン浄
油脂を分散・微細化することで、排水処理槽内のバクテリアによる生物分解を促進する油脂処理剤です。滞留時間が十分な生物処理施設に適しており、本事例では加圧浮上工程の凝集剤に代えて投入することで、無機凝集剤なしでの浮上分離を可能にしました。既存の加圧浮上装置はそのまま活用しながら、薬品構成をシンプルにできます。
  • PAC・高分子凝集剤を停止
  • 汚泥・産廃発生量を抑制
  • 脱水機の臭気も改善
  • 加圧浮上装置はそのまま活用
  • 後段の生物処理で仕上げ
ドレイン浄 製品画像 製品詳細を見る →
いきなり凝集剤を全停止するのではなく、浮上分離の状態と後段の生物処理の様子を確認しながら段階的に切り替えることをお勧めしています。

コストが約40%削減。脱水機の臭気も、しっかり改善。

年間削減額
▲744万円
薬品代+産廃処理費の合計
脱水機の臭気も改善
改善前
1,850万円
/年(薬品+産廃費)
改善後
1,106万円
/年(薬品+産廃費)
薬品の切り替えのみで達成した改善で、放流水質の基準はこれまでどおり維持されています。あわせて加圧浮上設備から発生するフロスが減少し、脱水機まわりの臭気も大幅に改善しました。

薬品を止める前に、後段の処理能力を確認しておくこと。

加圧浮上の運用を変更すると、後段の生物処理工程にかかる負荷が大きく変わります。生物処理の処理能力に余力があるかどうかを事前に確認したうえで凝集剤の停止を判断することが重要です。この確認を経たことが、今回の切り替えを安定して進められた決め手でした。

生物処理の能力を確認しないまま凝集剤を止めると、過負荷や放流水質の悪化を招く可能性があります。事前の能力評価が安定稼働の鍵になります。

同じことをやろうとして、うまくいかなかったケース。

凝集剤を油脂処理剤に置き換える対策は有効ですが、条件を確認せずに進めると逆効果になることがあります。現場でよく見られる失敗パターンを2つ紹介します。

⚠️
油脂処理剤の選定ミス
油脂処理剤は製品によって特性が異なります。処理対象の油脂に合わない製品を選ぶと、加圧浮上工程で急激な負荷上昇が起き、放流水質の悪化を招くことがあります。
📊
生物処理の能力算定を省略
凝集剤を止めた際に後段の生物処理工程がどこまで対応できるかを確認せずに進めると、過負荷となり処理が悪化することがあります。
どちらの失敗も「この設備なら大丈夫だろう」という思い込みが出発点になっています。処理能力の数値的な確認なしに切り替えを進めると、同じ問題が起きやすくなります。

生物処理の余力が、大きなコスト削減につながっていた。

この事例では、後段の生物処理工程で対応できる可能性があったにもかかわらず、加圧浮上でPACと高分子凝集剤を使い続けていたことがコスト増の原因でした。油脂処理剤ドレイン浄への切り替えにより、薬品・産廃コストを年間744万円(約40%)削減し、脱水機まわりの臭気も改善しています。設備を大きく変えることなく、薬品の見直しだけで実現できた改善です。

「設備を入れ替えないと無理」「うちは特殊だから」と感じていても、生物処理工程の余力が見落とされているだけの可能性があります。現状の処理フローと薬品の使用データがあれば、簡単なヒアリングだけでもお気軽にご相談ください。

「うちの施設でも、薬品コストを削減できる?」まずはお気軽にご相談ください。

現在の加圧浮上の運転条件と使用薬品の情報をヒアリングしながら、コスト削減の可能性をご提案します。

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